店舗事例04「関西うどん」

お客様名:大阪うどん得得 成田店
前回お話を頂いた大手うどんチェーン店・家族亭様のロードサイドバージョン第二弾。
今回も内装のデザイン規制を家族亭様には快くとっぱらって頂き、サインの形態もこのお店だけのオリジナルデザインをお許しいただきました。
内装はメニューを見なければカフェだと思われるくらいスタイリッシュな感覚で仕上げました。狙いは料理の単価が競合他社より高いので、お値打ち感を内装で引き出すことです。そして家族連れが多いことを予想し、どの年代層にも受け入れられる落ち着いたカフェスタイルが郊外立地には必須と分析しました。
外観は建物自体が広告物と考えて、うどんの色を想起させるクリームホワイトで統一したのですが、このシンプルな意匠がより一層周辺の各店舗と異彩を放つボリューム感が出ています。
関係者の皆様には私たちのデザインへの深いご理解を大変感謝しています。
特に完成後に笑顔で、『この内装はうどん屋さんじゃないねぇ』と呟かれたオーナーの三田社長に。
デザインのポイント
「“アートピース”の特性を利用した外装」

店舗は交通量の多い幹線道路に面しているため、クルマを利用して来店される方が主体となります。
そこで今回は外装を“建築物”としてではなく、ひとつの“オブジェ”として解釈、デザインしました。
建物は既存利用。クリームホワイトで統一された、このシンプルな“個体”は青空の下、やさしい表情を見せます。
このシンプルでモダンな雰囲気は内装と調和し、色彩や形、ディテールを基調とした他の店舗の外装とは明らかに一線を画すものであり、広告塔として効果的に作用しています。
うどん屋さんとして認識してもらうためには、既設のポールサインを活用。大型のバナーを追加して、より分かりやすいものとしました。
「顧客満足度アップを図る」

周知の通り飲食店の利用者は料理だけでなく、そこでのサービスや空間、つまるところ“時間と場所”を買っていると言えます。
料理の価格に比例して利用者の要求の度合いも高くなります。それ故に価格に見合った空間を提供することは非常に大切です。
競合他社よりも価格設定がやや高く、その中で確固としたポジションを築くためには、他社よりも付加価値のある少しリッチな空間を提供する必要があります。お店の規模やオペレーション、収益性も同時に考慮しつつ計画を立てました。店内は厨房区画を残しただけで他は全て一新。
まずは、ゆとりある店内を構成するために、客席の間隔、通路幅は通常よりも広く設定。
落ち着いて食事ができるように、それぞれのパートごとに縦格子を配置して分割、軽やかに包まれる感じを演出しました。
この間仕切りを設置することで、店内はとても表情豊かなものになったと思います。
カウンターは店内奥に設置。一人で来られた方も静かにゆっくりと食事ができる場所を提供しました。
天井の高さは建物の構造上、それほど高く設定できなかったので、間接照明を設置して奥行きが感じられるように配慮しました。
「うどん=和→和みの空間」

立地条件とお店の規模から客層は家族連れが主体と判断しました。うどん専門店ということで幅広い年齢層の利用が見込めます。
内外装共に、どの世代にも受け入れられる要素が必要です。商品の価格帯、流行なども視野に入れデザインを検討しました。
結果、写真のような和風でも洋風でもない中性的なキャラクターを持った“和カフェスタイル”に。
インテリアの構成要素はできるだけシンプルにして、食事や会話を楽しめるようにデザイン。
明るくやさしい色使いと人肌に近い木材を多用することで、ゆったりとした雰囲気、リッチで洗練されたカジュアルなテイストを持たせることができました。
エントランス正面の壁には、伸びやかな印象を与える雲と山並みのグラフィックパネルをレイアウト。どこに座ってもほっと一息つける空間に仕上がっていると思います。
子供連れの家族や奥様方のお食事にもマッチするように、ドリンクバーやキッズコーナーを設置。
おいしい食事と共に、充実した時間を楽しんでもらえるよう他のうどん屋さんにはないアイテムも取り入れました。

店舗データ
住所 | 千葉県成田市江弁須 |
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経営母体名 | 株式会社ミタコーポレーション |
代表者 | 三田 安廣 |
開店年月日 | 2011年7月 |
業種業態 | FC |
営業時間 | 10:00~23:00 |
月商 | 700万円 |
坪数 | 82坪 |
席数 | 64席 |
稼働日数 | 25日 |
稼働従業員数/日 | 6名 |
内装費用(厨房別・看板含む) | 2,650万円 |
特色 | 関西うどん |